昨今の新型コロナの感染伝播への過度な防御姿勢について

医療機関では、体の抵抗力が落ちた方もたくさんいらっしゃるので感染防御に努めています。特に空気感染またはそれに近い伝播をするものについては病室への入室ごとに手消毒、マスクやエプロンの使い捨てなど大きな労力と資源投入を必要としています。それでも濃厚接触のリスクへの不安を拭い去ることは難しいでしょう。

さて、人類は黴菌(ばいきん:ウイルス・細菌・黴など)を含めた様々な生物と共存することで種族として生存していく力を維持してきました。ふつうの生活をされていらっしゃる方々は、消耗性疾患などで抵抗力の落ちている人は別にして、種族生存の担い手としてむしろある程度のリスクを負いながら逞しく生きることを忘れないようにしたいものです。

それまで鷹揚に構えてきていたインフルエンザは、2018/19シーズンに累計推計受診患者数1,200万人(:国立感染症研究所「今冬のインフルエンザについて(2018/19シーズン)」)、死亡者3,323人(2018年)/3,571人(2019年)(:厚労省「「令和元年(2019年)人口動態統計月報年計(概数)の概況」)です。

一方、様子がよくわからないからと言ってもう半年も経つ、現在の新型コロナによる感染者は19,755人(この数字の信憑性は問わない:FB5月13日の拙稿「新型コロナ感染確認者の発生状況について(8話目)」)、死者は977人(: 7月6日のWHOのHP)です。まさに、こと新型コロナをことさらに怯えて様々な手を繰り出し恐れる様はバランス感覚を欠いているように思えます。
中華人民共和国では、すでに新型インフルエンザの発生が取りざたされているようですが、我が国が水際で止めることができなかった場合、さらに混乱をきたすようなことにならないよう今から落ち着いて適当なバランス感覚で対処していきたいものです。