有事と「裸の王様」

自分に馴染のない状況(有事)に出会ったときに「自分で情報を広く取り、俯瞰的に見て、総合的にバランスよく判断すること」ができないと不安に駆られ簡単にデマに引っ掛かる。それがどれほどおかしくてもわからない裸の王様状態です。瞬時に答えを求められるオレオレ詐欺に引っ掛かるのと似ています。ただオレオレ詐欺と違うのは状況が変わらないように見える時、目が覚めない洗脳状態になることです。

有事には、ちょっと立ち止まり人生経験をフル動員して、ともかく何か似たものを思い浮かべ比較をしてみましょう。たとえば今回の新型コロナであれば、ウイルスとは、と考えてみます。

ここ最近で一番流行ったのは、1世紀前に第一次世界大戦を終わらせる原因となったスペイン風邪です。インフルエンザ・ウイルスが3シーズンにわたり世界中で猛威を奮い、当時20億人に満たなかった全世界で最大推定5千万人が亡くなったと言われています。それでも人類でみればウイルスにより絶滅することなく今に至っています。ウイルスの性質上、宿主がいなくなれば自分も存在できません。最終的には自然免疫あるいは集団免疫で均衡するわけです。つまり共生できるのです。

そう考えたら自分のことはさておき何となく安心しませんか。後はある程度の時間がたてば朧げながら様子がわかります。新型コロナは人口比で日本より2桁多く死亡者をだした欧米も含めて全世界での死亡者はこの2ヵ月余毎日5千人で均衡し、下り基調に入ろうとしているとわかります。

厚労省の「新しい生活様式」というのであれば、一番大事なのは厚労省の「新しい生活様式」を鵜呑みにせず「自分で情報を広く取り、俯瞰的に見て、理性と直観とのバランスよく総合的に判断するようにすること」ではないでしょうか。